電解コンデンサー

公開日:2014/02/09(日) 更新日:2014/02/09(日) 日々のこと新卒内定者

私のブログは、タイトルが毎度不可解で申し訳ございません。順を追って説明させていただきます。

先日、我が家のテレビにつないでいた外付けハードディスクが壊れてしまいました。電源は入っているのに、テレビがハードディスクを見つけられません。
時間ができたら観ようと思って取り貯めていた番組が・・・・。

諦めきれず、ダメ元で修理にトライしました。私、この辺はちょっと他の人にはないテクを持ち合わせております。
調べていくと、電源回路の電圧が低すぎることに気づきました。その原因が、「電解コンデンサー」の劣化だったのです。
取替えでみると、ハードディスクは見事復活!部品代は2個分で60円でした。やりっ!

コンデンサーというのは、電気を一時的に蓄える働きを持つ電子部品です。学校の理科の教科書にもチラと出てきます。絶縁性の高い薄いもの(例えば紙)を電極でサンドした構造で、これに電圧をかけると電機を蓄えることができます。

で、問題の「電解コンデンサー」ですが、これは絶縁物の代わりに『電解液」と呼ばれる化学薬品を入れてあります。電気分解の原理で、化学変化を利用して電気を蓄えるため、同じ能力(容量)のコンデンサーを作るのに、絶縁物の場合よりもずっと小型にすることができます。充電式のバッテリーをうんと小型にしたようなものとお考え下さい。

今時の家電製品は、ほとんどのものが多少なりと電子制御されていて、電子回路のお世話になっています。そして電子回路となると、まず例外なく電解コンデンサーがいくつか使われています。ところが、この電解コンデンサーには大きな弱点があるのです。

その弱点とは「寿命」。
電子部品のほとんどは、経年劣化をあまりしないのですが、電解コンデンサーだけは例外です。その原因は、先にお話した「電解液」にあります。中身が液体なので、電解コンデンサーは食品でいうと「生もの」のようなものなのです。

さらに悪いことに、生ものであるがため温度に敏感で、高温で使うと劣化が早まってしまいます。周囲の温度が10度上がると、寿命は何と半分になってしまうといわれています。もし20度上がったら、4分の1です。

「そんな部品、使わなければいいじゃないか」というお声が聞こえてきそうですが、電解コンデンサーにとって替われる(小型で低コストな)ものが、現在のところ発明されていないのです。そういう訳で、
「今時の家電製品(パソコンなどの情報家電も含め)の寿命は、電解コンデンサーの寿命」
と言っても過言ではないくらい、製品のライフサイクルに影響を及ぼします。

例えばパソコンでは、数10個から100個以上も電解コンデンサーが使われています。劣化すると、起動しなかったり、突然電源が落ちたりといった不具合が出てきます。だからといって、取替えできる数ではありません。私たちができることは、「過熱させないこと」、具体的には、暑い場所を避け、通風孔をきちんと確保しながら使うことです。高価な機器そのものやデータを失わないためにも、熱対策を十分におとり下さい。

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