『石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも』
岩の上を激しく流れる滝のほとりでは、さわらびが芽を出す春になったことだなぁ。
おなじみ万葉集からの今回の歌は志貴皇子からの一句でした。
リズミカルな中に繊細な情景が浮かぶ素敵な歌ですね。
と、ゆーよーにっ。
歌には情景を思い浮かばさせる力があります。
これってものすごい緻密な描写力じゃないかなぁって思います。
それだけ季節の移ろいや日々の自然の変化などに意識を高く持っているのではないでしょうか。
日常の中で何かに気づくことって意外と難しいと思います。
通勤や移動、買い物、通学。
毎日の繰り返しの中にどれだけの変化を発見できるか。
あまり気にしたことないですよね。
例えば通勤途中の電車の窓から見える雲はどんな形してました?
買い物途中の道にどんな花が咲いてました?
ね、なかなか気づかないんですよね。
小さな変化や存在って。
変化の発見って、ようは「気づき」だと思うんです。
気づきが多いと色々なことが楽しくなります。
例えば道端の花。
あ、こんな花が咲いてるんだ。
から始めればいいと思うんです。
それが毎日見ていると、
なんて名前の花なんだろ。に変化し、名前を調べます。
名前がわかると、それが毎年咲くと、それが季節を感じるきっかけとなります。
その一連のことは自分の引き出しに入ります。
その繰り返しで引き出しがどんどん増えていき、いろんな色の引き出しができてきます。
その引き出しは整理されていないのですが、
それがいいのです。
漠然としたアイデアとして、その引き出しから出てくるようになります。
例えば家づくりの時にもそれはすごく役に立つ引き出しになります。
住宅の雑誌やインターネットで写真を見たり、もいいですが、
残念ながらそこに気づきはあまり得られないように思います。
リアルの世界から得られる気づきは果てしなく大きいと思うのです。
そのためにまずは簡単なことから始めませんか。
明日の通勤、買い物の時、ちょっとだけ道端や空を眺めてみてください。
どんな花が咲いていましたか?
そうそう、シロギスが好調、当たりっぽいです。